食品の健康への効能

2015年03月20日

 わが国では現在、経口で摂取出来るものは食品(食品衛生法、JAS法などで規制)と医薬品(医薬品医療器機法<元薬事法>で規制)しか法的に認められていません。食品では、厚生労働省の認可を受けた特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品以外は、食品の健康への効果を表示することは禁じられております。現在ではトクホでも栄養機能食品でもないいわゆる「健康食品」(健康補助食品・サプリメント<Supplement>)が健康への効能を明示出来ずに、体に良さそうなイメージに訴えて販売されており、その市場規模は1兆円を超えるであろうと言われております。

 健康への効果を消費者庁に届け出れば事業者の責任で表示出来る新しい食品表示制度「機能性表示食品」が4月から発足する予定です。対象はいわゆる「健康食品」や加工食品だけではなく生鮮食品も含まれます。事業者がきちんと科学的根拠(エビデンス:Scientific evidence)に基づいて表示すれば、問題はありません。しかし、今でもいわゆる「健康食品」で根拠が怪しく、逆に健康を害するような商品が出回っております。事業者が正しい科学的根拠(エビデンス)に基づき、効能と安全を確かめてくれれば良いのですが、事業者全部が必ずしも信用出来るとは限りません。消費者は自己責任で商品を選んで食べなければなりません。一層の科学的素養(Science literacy)といかがわしい宣伝にまどわされないメデイア対応能力(Media literacy)を養う必要があります。

 日常の惰性に流されず、直感を鋭敏に保ちながら、あらゆる情報を鵜呑みにせず、事実という材料を基に確からしさを検証し続ける必要があります。大手企業が売っているとか、有名な専門学者が勧めているとかで頭から信じてはいけません。事業者が提供している科学的根拠(エビデンス)が本当に科学的な手順を踏んだ研究であるかどうかを見抜く知力(Science literacy)が欠かせません。また書物に記載されているとか新聞・雑誌・放送等のマスメデアで取り上げられたとか、ネットで評判だとかで騙されてはいけません。マスメデアの情報全てが正しいのではありません。ネットの情報に至っては、玉石混交どころかまず疑って掛かるべきです。事業者に都合がよいように絶えず情報操作がなされています。テレビの健康番組等は信じないことです。大抵は科学的手順から外れた方法で、視聴率を取る為に面白おかしく放映しています。娯楽番組の一つに過ぎません。

 あなたは次のことを信じます?1)血液型によって性格判断が出来る。 2)酸性食品よりアルカリ性食品を食べる方が健康に良い。3)マイナスイオンは健康に良い。 4)アルカリイオン水は胃腸に良い。5)生まれ月の星座により相性の判断が出来る。一つでも信じる方は要注意です。

 1977年に米国上院の栄養問題特別委員会が発表した報告書「米国の食事目標」、通称「マクガバン報告書」で、「米国に移住して、動物性脂肪を殆ど含まず、乳製品をとらない伝統的な日本の食事から、西洋の食事に変った日本人に、乳がんや結腸がんの患者が増えている」と記述されました。この事から「報告書が勧める食事は、まさに和食」となりました。「和食」はヘルシーと思われる一つの根拠となりましたが、「マクガバン報告」は、1980年の「アメリカ人のための食事ガイドライン(Dietary Guidlines for Americans)」に継承され、2010年版では「伝統的な日本食のパターンは心疾患のリスクが低いという研究がある。しかし、こうしたアジアの食生活の構成について詳細の情報を欠いておる。」と他の病気には触れていません。

 和食も地域、時期により異なりますが、戦前の日本食(魚、海藻、大豆製品<豆腐、湯葉、納豆、味噌>、野菜、米・雑穀)を主体とする食事を摂るように努めましょう。その食事様式から一日に摂取する塩分を16gから8g以下と半分する。それに卵、乳製品(ヨーグルト、チーズ)、肉類を一日60g程度追加するのが理想的な食事だと言われております。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一