お水を大切に

2015年05月30日

 牛肉1キロを得るには牛の飲み水だけではなく、餌となる飼料の栽培や、洗浄等に使用する水をあわせると20トンもの水が必要です。海外で栽培された小麦、大豆等にも現地で水が必要となります。日本の年間食糧輸入量を海外で生産する為に、海外での水を約588億トンも使っております。言い換えますと海外から水を約588億トンも輸入していることになります。海外に依存している作付面積は約1,233万ヘクタールで、これは国内の農地面積の約2.6倍です。その一方でわが国の水田252万ヘクタールのうち、約40%が生産調整の対象となってお米が植え付けられず、それに加えて耕作放置地が約39万ヘクタールにもなっています。

 宇宙から見た地球は青く輝き、「水の惑星」とも呼ばれています。実際、地球の表面の3分の2は水で覆われていて、およそ14億立方キロメートルの水があると言われています。しかしながらその大部分は海水であり、淡水はわずか2.5%程度に過ぎません。しかも、この淡水の大部分は南極や北極地域などの氷や氷河として存在しているため、地下水や河川、湖沼などの水として存在する淡水の量は地球全体の水の約0.8%に過ぎず、さらにこの大部分は地下水であるため、河川や湖沼などの人が利用しやすい状態で存在する水に限ると、その量は約0.01%(14万キロ立方メートル)でしかないといわれています。

 水面、地表から水が蒸発して1万メートルの成層圏の下で雲となり、雨や雪となって地上に降り注ぎ海に至るまでの間で、動物の飲み水や、植物の成育や、農業用水、工業用水として活用され海に流れ込んでいます。その過程からや海面から蒸発して雲になり、再び地上に降り注ぐと言う循環を繰り返しております。利用出来る淡水が偏って分布していることと、地球温暖化による極端な気候変動の結果、地球上に住む75億人の人類のうち約10億人が衛生的な水に不自由しているとのことです。

 異常気象による水不足の深刻さの増大と経済成長にともなう新興国のキレイな水需要の増大で、既に世界各地で水資源の争奪が始まり、川上の国が上流にダムを造るのに、川下の国々では自分たちの水の取り分が減ることを懸念して異議を唱えたりしています。海外の巨大資本は世界各地で水源を確保するだけではなく、上下水道のインフラなどの「水ビジネス」に乗り出しています。わが国の国土の約3分の2を森林が占めていますが、折角の森林資源が安い輸入材に押されて利用されず、山林の価格が極端に安くなり、水資源の確保を狙った外国人に山林が買われているとの情報があります。

 農業従事者の平均年齢が68歳を超え、あと10年もしないうちに農地を耕して下さる方々が急減します。それにTPP協定が締結されて、お米の関税が引き下げられたりしたら、米つくりに大きく依存している日本の農業は壊滅し、懐かしい田園風景を保っている地域社会は崩壊します。水田はお米を生産する場だけではなく、水資源の確保、環境の保全、地域社会の維持、つまり日本の国土を防衛するために不可欠なのです。日本を守るのは「集団自衛権」や「日米安保」だけではないのです。

 横浜の水源は、道志川・相模湖・馬入川・企業団酒匂川・企業団相模川の5系統です。昔は横浜の水は赤道を越えても腐らないと、外国船が横浜港にわざわざ立ち寄って水を積み込んで行きました。今は素敵な水源を利用している上にさらに高度処理の技術を応用して、美味しい水道水になっております。国のさだめた51項目の水質基準に合格していますので、美味しい上に、より安全で、ペットボトル入りの水の値段と比べたら桁違いの安さです。皆で横浜の水道水を愛し、地球の上には水に不自由している人たちが10億人以上も暮らしていることにも想いを致し、感謝しながらお水を大切に使いましょう。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一