ブイヤベースから思いつくままに

2015年07月10日

 仕事と観光で30回以上も訪れたサンフランシスコの名物である酸味のあるサワー・ドー・ブレッドが期間限定のメニューのなかにあるホテルの「世界港町クルーズ」に惹かれて、ランチに出かけました。サンフランシスコのサワー・ドー・ブレッドは前菜の一つのクラム・チャウダー(米国ボストン港の名物)の容器になっており、本場の味を味わうのには物足りない量でした。

 お料理の内容は世界各地の港町の代表料理を量は少ないが取り揃えてあり、美味しくてお値段の割にはお値打ちでした。英語で表現しますと私の大好きな言葉であり物事の判断基準でもあるReasonableでした。メーンデッシュはブイヤベース選びました。本場マルセーユの味よりは繊細でそれなりに美味しかったです。私が世界で一番贅沢なブイヤベースだと信じる東京會館のそれには到底およびませんが、東京會舘のデナーと2千円台のランチと比較するのは不公平ですね。

 ブイヤベースにはトーストとガーリックがそえられます。横浜にはバーデンバーデンの「ガーリク・ブレッド」があります。日本でこんなに美味しいガーリク・ブレッドを食べられるとは思いもしませんでした。冷凍で販売されていますが、パンやクリスマスケーキの台などは冷凍し、酸素を通さない包装をするなど酸素を遮断して1年近く冷凍保存しても風味を損ないません。冷凍庫から取出して室温下で自然解凍し、オーブントーストで暖めて召し上がってみて下さい。焼きたてのガーリック・ブレッドの風味を楽しめます。

 18世紀のゴールドラッシュでカリフォルニアに殺到した49ナーズ(forty niners)が食べた名残のサワー・ドゥ・ブレッドが、大平洋の対岸のサンフランシスコに名物の一つとしてあり、大平洋のこちら側のヨコハマにはガーリック・ブレッドありです。食べてみて気に入りましたら大いに愛用して、ヨコハマの食の歴史の1ページの一端を作りましょう。

 食べ物の好みは千差万別です。それぞれ多様な食生活と自分の嗜好をお持ちの方々が、食べてみてご自分が美味しいと感じられるのが美味しい食べ物だと私は考えております。ですから私の好みによる評価を人様には押し付けません。必ず私の口には合いますと前口上を申し上げて、評価の結果を推奨しております。食品や料理の風味を評価する時には、老舗だとか、巷の評価が高いとか、何とかのガイドブックに載っているとかの情報には囚われず、白紙状態で対応するように努めています。食品、料理自体の風味をまず最初に最優先で評価します。勿論、食事をするのは単に空腹を満たしたり、栄養を補給するだけではありません。食事をする場所の雰囲気やサービスを提供して下さる家族やお店の方々のおもてなし、食事をするお相手などの要素の影響が大きいです。しかし、食事の総合評価はお料理の良否とは必ずしも一致するとは限りません。

 私の大学時代の指導教授は、「人柄,人品をみるとその人がどのような食生活をしているか、即ちどんな食べ物を食べているかがわかる」と常々仰っておられました。私も同感です。バランスのとれた食事をしていれば、イライラしたり、やたらと切れたり、攻撃的になったり、欝になったりはしません。楽しく生きるには、動物の一員として地球上で生き延びてきた雑食の人類に適した理に合った食生活を致しましょう。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一