糖質(炭水化物)

2015年09月10日

 糖質は、脂質、たんぱく質とともに私達の生命維持に不可欠な三大栄養素の一つです。炭素、水素、酸素の3種類の元素で構成されているので、炭水化物とも呼ばれています。私達が糖質を摂食すると、澱粉の場合唾液中の酵素アミラーゼで加水分解され、胃液や膵液で二糖類のマルトースまで分解され、最終的に小腸の上皮細胞に存在するマルターゼ、スクラーゼなどの二糖類分解酵素により単糖類のグルコース、フルクトースなどにまで分解されて腸管から吸収されます。

 澱粉は植物により光合成され、植物の種類により性質が若干異なります。お米や麦類および,稗、粟、蕎麦、南米産のアマランサスなどの雑穀、小豆などの豆類では実に貯えられる他、馬鈴薯、甘藷などの薯類、葛や蓮根などでは根や茎にも貯えられます。植物の細胞壁の主成分であるセルローズは澱粉と同じグルコースが多数結合した多量体ではありますが、私達人類はセルローズを分解する酵素を持っていないので食べても消化出来ません。

 大昔は食料を獲得するのが今より難しかったので、飢餓に対する耐性が高い遺伝子をもつ人類は、食事に気をつけないと糖質を過剰に摂る傾向があり肥満になり易いので、糖質制限(ローカーボ:Low carbon)がダイエット法として10年程前から推奨されています。しかし、最近は体調を崩したり、減少した体重が減量前以上に戻る(リバウンド)の弊害が指摘されるなどその効果が疑問視されています。私達の身体が利用するエネルギー源としては、糖質は三大栄養素の中で一番勝れています。過剰に摂らずにしかも無理に制限せずに適正量を食べるよう腹八分目にして、野菜,海藻、肉,魚,大豆製品などと共にバランスのよい食事を楽しみましょう。

 とうもろこし澱粉であるコーンスターチ等の天然澱粉に、酵素的や物理的、化学的などの加工をした加工澱粉は、冷凍うどんのシコシコ感を出すためや市販のパンをいつまでもフワフワさせるために使用されています。加工澱粉は食品添加物ですので安定剤、増粘剤として表示されます。加工澱粉はいろいろな食品に使用され品質を高め保持するのに活用されております。

 糖類はブドウ糖(Glucose)、果糖(Fructose )等の単糖類、蔗糖(Sucrose)、麦芽糖(Maltose)、乳糖(Lactose)などの二つの単糖が結合した二糖類、さらに多糖類があります。庶糖を酵素的に分解してできる果糖とブドウ糖の混合物(転化糖)は、砂糖より甘みの強い甘味料として使われています。澱粉を酵素または酸により加水分解して得られる主にブドウ糖または果糖からなる糖液である異性化糖は、飲料や菓子等に大量に使用されています。

 澱粉、糖類にも多様な性質があり、その特徴をよく理解して巧みに調理しますとお料理の風味がより味わい深くなります。日本料理では魚や野菜の煮物などを中心に醤油と砂糖の組合わせを基本するので、中心的な調味料の一つとなっています。砂糖にも沢山の種類があります。食品に甘味をつけるためだけではなく、澱粉の老化を抑制して餅菓子などを柔らかく保つ、アミノ酸とのメイラード反応によって食品によい色と香りを与える、油脂の酸化抑制、防腐などと食品にさまざまな効果を与えるためにも利用されています。多様な糖類を組合わせて原料として老舗の飴ではその特徴を出しています。砂糖も摂り過ぎに気を付けながら上手に使いましょう。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一