食塩(ナトリウム)

2015年09月20日

 40億年前頃には今よりも多くの隕石などが地球に衝突していたそうです。隕石や彗星に含まれているアミノ酸、ケイ酸塩、氷の混合物に秒速数キロで衝突する衝撃でトリプルペプチドなどの生命の種が生まれた,即ち地球上の生命の「種」は宇宙から運ばれたと言う説がより有力になってきました。その生命の「種」から遺伝子を引き継いで綿々と進化と淘汰を繰り返して、現在地球上には私達人類を含む870万種類以上の生物が住んでいるとされています。

 現在地球上で生存している生物の祖先は、古代の海に住んでおり、まず植物が地上に生え、徐々に地上に住む生物が増えてきました。祖先が海から上がってきたので海中に含まれている塩素とナトリウムの化合物である食塩は、私達生物の生命を維持する上で不可欠の成分です。しかし食塩を過剰に摂ると高血圧症、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞,腎臓疾患などを引き起す危険が高まることはよく知られております。望ましい一日の食塩摂取量は5g未満( WHOのガイド ライン)、日本高血圧学会のそれは6g未満としています。実状は2013年の20歳以上の日本人の一日の食塩摂取量は,男性で平均11.1g、女性では平均9.4gで、日本人はまだまだ食塩を摂りすぎる食生活をしております。

 味噌,醤油や塩蔵品だけではなく、パン類やすし飯、魚の干物、蒲鉾などの水産練り製品、ハム、ソーセイジなどの畜肉加工品にも意外なほど大量の食塩が使われております。加工食品の包装に表示してある「食塩相当量」を必ず検証する習慣をつけましょう。外食や中食(調理食品の持ち帰り:Take out))では、味を濃くすると売上が増える傾向がありますので、原価と手間を抑える目的で、食塩をたっぷりと使う傾向があります。薄味に慣れた人には塩辛すぎて苦痛です。ご自分で調理する場合には、酢や、出汁や香辛料などを巧みに使いこなして、減塩しても美味しい料理をつくることは出来ます。調理に工夫を凝らして子供のうち、若いうちから塩分に頼らない塩分控えめな美味しくて深みのある味に舌を慣すように努めましょう。

 日本専売公社製のイオン交換樹脂を通して精製された純度の高い食塩しか知らなかった私は、はじめてニューヨークで、岩塩を振っただけのビスケットの美味しさに吃驚しました。塩の専売が廃止されてからは、方々の国から岩塩が輸入されたり、海水から流下式や濃縮などでつくられる「自然塩」がその微妙な味わいゆいにブームになっております。

 ヨーロッパからの岩塩、八丈島沖の黒潮を原料として流下式で作られた食塩、沖縄の空中散布方式で作られた食塩の3種類の食塩を使って,東北地方の老舗の味噌屋さんに食塩の種類以外は全く同じ原料で,同じ工程で味噌を仕込んでもらったことがありました。その結果、輸入岩塩の味噌は関東以北向け、沖縄の塩は関西向け、八丈島の塩はその中間と,原料,醸造工程を同じくしても塩の違いで大きな味の違いが出ることを実証出来ました。

 サラダや浅漬、糠漬などの漬物,塩蔵品や、加工食品にも勿論汁ものや煮物でもいろいろな種類の塩の特徴を活かして美味しい食事を良い案配(良い塩加減と食酢などの他の調味料との微妙なバランス)で楽しめます。塩の種類,使い方で本当に味が変ります。いろいろと試して食生活を楽しんで下さい。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一