たんぱく質

2015年10月01日

 「たんぱく質が足りないよ」とのCMがありました。最近はアミノ酸を含んだ機能性食品のPRでアミノ酸が私達の健康保持,生命維持に大切な栄養成分であることを強調しています。たんぱく質は3大栄養素の一つで、私達の筋肉、内蔵、皮膚,爪、毛髪など身体の組織を構成する栄養素です。たんぱく質は主にアミノ酸からできており、食べると胃でアミノ酸に分解され、小腸で吸収されます。小腸で吸収されたアミノ酸は肝臓に運ばれ、一部はもう一度たんぱく質に組み立てられ,その他のアミノ酸と共に血液を通じて身体の各部署に運ばれ、身体の組織や私達の生命活動を司っている私達の体内の反応の触媒の働きをする酵素になります。

 私達の体内には神経を通じての情報の伝達、体内で生じた二酸化炭素と鼻と口を通して外気から取入れられた酸素の置換などなど私達の生命活動や生命維持に関わる体内での化学反応にその反応毎に対応する多くの種類の無数の酵素が存在しています。酵素は主にたんぱく質で構成されていますので、65℃以上の高温に曝されたり、酸やアルカリ等の化学物質におかされたり、細菌類やウイルスの攻撃を受けると失活して、その酵素が関与している体内の化学反応が阻害され、体調を崩したり、死に直結したりします。たんぱく質は私達の身体の筋肉などの組織を作るだけではなく、生命活動の根源である体内の化学反応を蔭で支えている酵素も作るのです。

 たんぱく質には構成するアミノ酸の種類,組み合せによって無数の種類があります。アミノ酸の種類は20種類ありますが、そのうち私達の体内でつくられない9種類を必須アミノ酸と呼び、これらは食事で摂る必要があります。たんぱく質の一日当たりの平均必要量は男性が50g、女性が40gと言われております。最近は過度な減量願望や正しい栄養知識の不足から、高齢者だけではなく、若い人達特に若い女性にたんぱく質不足の食事が増えているのが気がかりです。

 老化とはたんぱく質を主とした「栄養失調」が進むことです。身体の「老化」を遅らせるには、いかなる世代の人でも必要なたんぱく質を摂ることです。たんぱく質をきちんと摂ることで、認知機能の低下、循環器疾患、がん、および感染症リスクをさげることができます。メタボ対策から老化対策に移行する適齢期は、男子60歳、女子50歳であると言われています。高齢者でも肉類は2日に1回は食べることを勧めます。肉を食べない人は鬱が進むとも言われています。

 「老化」を防ぐには、若いうちから動物性たんぱく質を十分に摂取し、魚と肉の摂取は1:1程度の割合にするのが望ましいです。煮豆や打ち豆などと大豆を直接食べるだけではなく、豆乳、豆腐、油揚、高野豆腐、納豆などの大豆加工食品を沢山の変化に富んだ調理方法で楽しみましょう。小麦のたんぱく質グルテン製品である「麩」も美味しくて勝れた植物性たんぱく質です。大豆加工食品や麩は肉食を禁じられた精進料理の基本的な食材として昔から利用されて来ました。現代では大豆から搾油した後の大豆粕から、繊維状の植物たんぱく質がつくられ、加工食品や料理食品に活用されています。

 健康補助食品、サプリメントなどでたんぱく質やアミノ酸を摂るのではなく、必要なタンパク質をバランスよく含む食事と速歩や軽いストレッチ等の運動で筋肉を落とさずPPKを目指しましょう。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一