在宅医療・在宅介護

2015年12月20日

先月の勤労感謝の日にある公益財団が主催する「第11回在宅医療推進フォーラム」に参加してきました。このフォーラムは、「人間として尊厳ある死を迎える為の在宅医療の普及を目指している」、医師、歯科医師、看護士、薬剤師、療養士、介護士、ケアーマネ—ジャーなどの医療・介護・福祉関係者、医療施設や介護施設•老人ホームなどの経営者、自治体、保健所や地域包括支援センターなどの行政関係、社会福祉団体,民生委員、NPO、ボランテア団体、および医療・介護を受ける当事者とその家族などの在宅医療・在宅介護に関連する方々(ステークホルダー:stakeholder)と、在宅医療に関心のある一般の方々の集まりです。

このフォーラムを10年以上にわたり主催してこられた財団は事業に成功した方が私財を拠出して創設された財団です。アメリカでITC事業で成功した創業者が,財団を設立して莫大な私財を寄付したことが最近大きな話題になったり、在日外資の会社も社会貢献に努めています。寄付の文化のない日本でもこのような有徳の方がおられるのです。

超高齢化社会のピークをこれから迎えるわが国では、医療機関や介護施設のハード面だけではなく、医療・看護・介護に携わる人材の深刻な不足が予測され現に不足しています。社会保障費の削減をめざす政府は在宅医療・在宅介護を推進し、この4月から要支援事業が自治体に移管されたこともあって自治体も「地域包括ケア」の体制を創りつつあります。私が最初にこのフォーラムに参加した2011年の第7回フォーラムの時点と比べますと状況は大いに進歩しております。熱意と志のある医師を中心に在宅医療・在宅介護の仕組みが点在していた段階から、連携する職種も広がり各地でステークホルダーとの連携が進んでおります。志の高い医師個人から,地域医師会や地域中核病院等が核となりICTを活用して医療・介護の連携が進み点から線になりましたが、未だに道遠しです。

フォーラムの第二部の国立市,静岡市,富山市の3市長による市長サミット「地域包括ケア確立のため 市町村トップはこう動く」では、地域包括センターの運営につては、専門の人材の多少とボランテアの人材の多少の組合せが4通りあるので、それぞれの地域の実状にあわせて対応したり、高齢者が衰弱(フレイル)して要介護にならないように,高齢者の外出を促進する施策を行なっている。地域のボランティアの役割が重要であり、「1人の100歩より100人の1歩」と多数の人が参加して、それぞれの身の丈に合った活動を、出来ることから実行しましょうと市民に働きかけているなどでした。

飽食の時代にも関わらず、過度のやせ(痩身)願望と経済格差の拡大にともなう貧乏が原因で日本人の平均一日の摂取熱量は敗戦前後の食料供給が極度に逼迫した時代を下回る1、800KCal台に落ち込んでおります。若い時に低栄養と運動不足ですと60代には確実にフレイルになり,要介護となり寝たきりになります。死ぬまで元気で長生きをして大往生するピンピンコロリ(PPK)ではなくNNK(寝たきり,認知症,孤独死)になります。「年寄りは肉を食べるな」などの誤った栄養知識は、高齢者を早く要介護,寝たきり状態に追いやり,「健康寿命」を縮めます。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一