エンゲル係数

2016年05月20日

総務省が2016年2月に纏めた単身世帯を除く家計調査(2人以上の世帯)のエンゲル係数は25.6%になりました。25%台は1990年前後の水準で,それ以降は23%前後で推移し、2013年まではエンゲル係数が25%を超える月はほとんどありませんでしたが、2014年に入ってから25%を超える月が増え始め、2015年になるとその傾向がさらに顕著になりました。5月以降は毎月25%を超える状況が続いています。

その原因を推定しますと、(1)消費税の増税、(2)給料の伸び悩み、(3)円安により輸入に頼る割合の多い食品の価格の上昇、(4)共働き世帯の増加による惣菜、中食への支出増、(5)子供の貧困率が6人に1人と表わされる所得格差が大きくなっていること等の経済の先行き不安、(6)医療や介護や老後の暮らしなどの不安にあります。

 食費には生命を維持する為の最低水準がありますから、被服費や旅行費、趣味等に費消する経費と比べますと極端な節約ができません。このため、生活が貧しくなってくると家計支出に占める食費の割合(=エンゲル係数)が増加するという傾向が見られます。このことからエンゲル係数は生活水準を示す指標といわれています。エンゲル係数が上がったと言うことは私達の日々の暮らしが苦しくなっていることの明らかな証拠です。

円安により商品を輸出したり,海外で生産して販売しているトヨタ等の大手企業は空前の利益を上げました。しかし国際競争力の増強や世界経済の先行き不安から、大手企業はその儲けを社員の給料に回したり、下請からの部品購入価格の引き上げに回したりせずに、大部分は内部留保として溜め込んでいます。大手企業の儲けが中小企業や国民にしたたり落ちて中小企業や国民も豊かになる話(トリクルダウン)は真っ赤な嘘です。一方輸入品に頼る割合の大きい食料品の価格は,円安の影響を受けて高騰しました。しかも仕事が増えず、お給料のあがらない国民は物価高に苦しめられています。私達日本国民の多くは一日3食は食べてはいるが、不要不急のものを買うのは控えているのが現状です。

北欧諸国のように子育てや教育、医療費、老後の介護費などに国民皆のお金を回して、国民がよりよい生活水準を作り上げる努力が出来ないでしょうか。公私を弁えず税金を私欲に使う都知事の事例のような政治屋が蔓延っていては期待で出来ませんね。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一