食品偽装の現状

2016年05月31日

羽毛布団の産地偽装が取り上げられました。安値販売競争が激化した結果中国で加工する段階で羽毛産地証明が書き換えられたケースがあったようです。財務省の羽毛原料の国別輸入実績以上の欧州および北米産の羽毛布団が市場にあふれているのが実状です。日本には羽毛の産地を分析する検査機関はなく、欧米には存在するけれども産地の可能性がわかるだけだとか。羽毛布団メーカーの業界団体は、羽毛の産地を保証する「原産地証明書」の提示に努めていますが、その証明書が偽造されており、本当の産地を突き止めるのは困難であるとのことです。

フォルクスワーゲンだけではなく三菱自動車までデータの偽装をしていたことがわかりました。中国人は排気ガスの成分など気にせず、ワーゲンは中国では大人気でどんどん売れているから大丈夫ですが,三菱自動車は日産自動車に救われる羽目となりました。

食品の産地偽装も他人事ではありません。有名で人気のあるブランド珈琲豆の流通量は生産量の数十倍、人気のある産地の有名ブランドのお米は生産量の10倍を上回る量が出回っています。輸入した豚肉を鹿児島まで運んでいき鹿児島産黒豚に化けさせた商社がありました。銘柄品の牛肉、豚肉が店頭に出ておりますが、生産量より流通量が大幅に上回っているケースが多々あります。これが外食産業,中食産業になると国産と謳っていても実は外国産のケースが多いです。牛肉では生産者からお店までの流通経路を辿れるトレーサビリティ法で定められた手順がありますが、その信頼性はいかがでしょうか?

中国産の食材を警戒して、国産を尊重する動きがあります。しかし国産でも出荷間際に鮮度を誤摩化す為に禁じられている薬品を使っていたり、有機栽培、あるいは低農薬を謳いながらその基準を守っていない農産物が摘発されています。国産だから無条件に良いとか,外国産だからダメと単純に信じてはいけません。チーズ等の乳製品、肉の加工品、ワインなどは国産より品質の優れた商品が沢山あります。私達の食卓はカロリーベースで61%も海外からの輸入食糧によって支えられているのです。

生産者、販売者の「お客様には嘘をつかない」との良心を信じるしか道はありません。食品表示を偽装されたら私達消費者にはそれを見破る手段はないのです。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一