世界は変った

2016年11月21日

ドナルド・トランプ氏が米国大統領選挙に圧勝したことについて、日本のメディアも米国を研究する学者樣も見事に予想をはずしました。彼らはしきりと後講釈しています。後講釈は巷にあふれておりますので、ここでは言及しません。彼らが予想を外したのは,米国メディアの論調を丸呑みし、自分たちで現地に足を踏み入れて自らの五感を直接使って取材や調査(フィールドワーク)を怠ったからです。映画監督のマイケル・ムーア氏は3ケ月も前の7月29日のブログで、トランプ氏の勝利を予言していたとのことです。

1620年メイフラワー号で米国に渡ったビルグリム・ファーザーズが自らを「神に選ばれし民」と信じて、神との契約に基づいてアメリカに「約束の地」を創ろうとしました。フランス革命とアメリカ独立宣言の理念が共通で、基本的人権が謳われ「自由・平等・博愛」の実現に向かいました。第二次大戦後その旗の下で米国が自由世界のリーダーたるべき「特別な国(Exceptional Nation)」として地球上の各地でお節介をしてきました。米国は元来「アメリカ第一」の「モンロー主義」で内向きです。第二次世界大戦以後、米国が国外の課題に関わってきたのは、第一次大戦後を除けば、米国史上では異常なのです。トランプ氏は本来のアメリカの姿に戻ると宣言しただけです。

しかしビルグリム・ファーザーズの「博愛(Philanthropy)」は白人でプロテスタントで志を同じくする「身内」にだけ及ぼすもので、非白人種や異教徒には及びません。従って平気で原住民であるアメリカン・インデアンの土地を奪い,虐殺し、日本に原子爆弾を落とせたのです。

グローバル化が広まって、生活水準が高く従って賃金の高い先進国の労働者は、生活水準,賃金共に安い開発途上国の労働者との競争に曝され、お給料が上がらないどころか、働く場も奪われてきました。全人類のうちの62人の大富豪の資産と貧乏な36億人の資産とが同額と言われる程,経済格差は開いております。先進国で国を支えてきた中間層が貧困に陥り,中間層が減少して生活が苦しくなった大勢の人達が増えています。情報通信技術(ICT)の急激な進歩は頭脳労働者の職場も浸食しています。先進諸国には多額の学費ローンを背負った高学歴の若者の職場がなかなか見つかりません。

グローバル化とICT化は私達人類の生活を大きく変えました。今や19世紀、20世紀とは異質の21世紀の新しい暮らしが始まっているのです。渦中に巻き込まれている私達は気付いていませんが、後世の人々は2010年代は人類にとって大きな転換期であったと認識するでしょう。政治はこれらの急激な変化に対応出来ていません、既得権にしがみついて私服を肥やしてきたエスタブリッシュメント(既得権受益者)をぶっ飛ばせと、変化の歪みに沈んでいる庶民の怒りが、英国のEU離脱や今回の米国大統領選挙の結果をもたしました。トランプ氏の勝利を追い風に、今後もEU諸国で「わが国が第一」の風潮が強まるでしょう。民主主義とは相容れない中国,ロシア、それに開発途上国では独裁政治家が益々のさばり,国民の不満を反らす目的で、ナショナリズムを煽り対外的には強硬な姿勢を取ると懸念されます。日本を守る為には外交力、情報力がより大切になります。

わが国でも東京都の伏魔殿に棲んでいる「ドン」などの政治屋,利権屋,公僕であることを忘れた官僚幹部などが、権力を悪用して私達の税金を喰いモノにしています。第一に政治を代々家業とする政治屋を国政だけではなく自治体からも排除しなければなりません。その上でグローバル化やICTの進歩で、世の中が変ったことを正しく認識して、新しい時代にふさわしい幸せな暮らし方を実現する為に政治を私達の手に取り戻しましょう。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一