地震大国日本と原発

2017年04月10日

大西洋で沸き上がったマントルが東西二つのプレートに別れて、長い時間を掛け地球を半周し日本列島で相見えます。東からは大平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレートの3つが、西からのユーラシアプレートの下に潜り込んで日本海溝を作ります。引き込まれたプレートが跳ね返る事が、大きな地震が起こる一つの原因だと前回申し上げました。

日本海溝の西側に長々と横たわる日本列島は、約1、500万年前にアジア大陸の端がちぎれて二つの島になり、大平洋に押し出されながら北の島は反時計回りに、南の島は時計回りにねじれながら合体して、本州の形が出来ました。このつなぎ目の部分がフォッサマグナ(中央地溝帯)と呼ばれ、大地が押しつぶされて、新潟焼山、浅間山、富士山、箱根山のような火山と南アルプスが聳えております。また遥か南にあった島が、プレートに乗って移動し本州にぶつかり伊豆半島になりました。<「日本列島100万年史」山崎晴雄著>

日本列島の大地はこのように複雑な成り立ちで出来上がっていますので、ぐちゃぐちゃです。地下の固い岩層に沢山の割れ目があり、「大きな力」が加えられると割れ目がずれて「断層現象」が起こります。特に数十万年以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」と呼びます。活断層の数はわかっているだけで2、000を超えています。大昔月が地球から飛び出した跡が大平洋だとの説が有り、大平洋を囲んで多くの火山があります。日本列島の活火山数は富士山も含めて110、これは世界の活火山数の約10%に当たります。このように私達の国の大地は極めて不安定です。

そこに54基もの原子力発電所(原発)が存在しています。東日本大震災では、地震と津波による天災に加えて、フクシマダイイチの原発の原子炉が爆発する人災で、数十万の方々が先祖代々住んでいる故郷を失いました。根拠のない安全神話に甘えて適切な対処を怠ってきた東電や原子力ムラの失態による人災です。3系統あった非常用の電源が全て落ちて、冷却水の供給が止まり、原子炉がメルトダウンして、二つの原子炉が爆発し放射能汚染の人災が起こりました。非常時に非常用電源の全てを失うなどは電力会社としてはあってはならないことです。

2020年の東京オリンピックを誘致する際に安倍総理が、「アンダーコントロール」と世界に向けて宣言しました。実際はフクシマダイイチのメルトダウンした原子炉の中がどうなっているかも今もって不明で、毎日毎日汚染水のタンクが増えそれらのタンクの老朽化が進んでいます。放射能汚染の恐れが無くなったと言われても「安心」出来ない等いろんな事情で自主避難を止むなくされた方々に向かって、復興大臣が「自己責任だ。文句が有るなら裁判に訴えろ」と言い放ちました。まるで人間の皮を被った悪魔のようです。彼は「人でなし」です。

活断層の真上にある原発も有り、炉心以外の施設の耐震性にも疑問が有る原発もあり、地震活動や火山の噴火活動の影響の評価も昔の「安全神話」に基づいているようで信用出来ず、災害時の住民の避難計画も机上の空論で全くずさんな有様です。首都圏直下型地震や東南海大地震が何時起きてもおかしくないのに原発の再稼働が急がれています。6年前の東日本大震災の余震が起きたら、メルトダウンして全く手ずかずのフクシマダイイチはどうなるのでしょうか? 日本各地に点在している原発で、大地震によってフクシマダイイチと同じような放射能汚染は起こらないのでしょうか? 大地が不安定で災害の多い国土では、原発を廃止し、地熱発電、太陽光発電、風力発電、森林を活用した間伐材などのバイオマス発電など、私達の国土の天然資源を活かした持続可能なエネルギー源の開発に努めるべきではないかと思います。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一