食育

2017年05月30日

食糧自給率が先進国で最低のカロリーベースで39%と言う亡国的水準で、世界中から食糧を買い集め飽食を楽しんでいるのに、科学的素養が乏しい為にわが国の国民は「低栄養」 (昔は栄養失調と言いました)の状態にあります。毎年5兆5千億円もの食糧を輸入しながら、食べられる食品を廃棄している食品ロスは年間500万~800万トンと言われています。これらを解決するには小学校に上がる前からの「食育」が必須です。

6月は「食育月間」で、6月19日は「食育の日」です。食育は年令や知的水準にあわせて行ないます。基本であるいわば「いろは」の「い」は、生きることは食べることです。私達は動植物の生命を頂いて私達の命をつないでいるのです。お米一粒、小魚一匹でも生命が宿っており、食事の時の「頂きます。」は、お米などの穀物、野菜、果物、お魚、貝、牛豚などのけだもの等の食材の「生命を頂く」事を意味しています。一口の食べ物でも粗末には出来ません。食べられる食べ物を捨てるなどは罰当たりです。地球上には10数億人の飢えた人々がおることに思いをよせ、その苦しみを想像出来る人に育てましょう。

食べ物が私達の食卓に届くまでには、国の内外で農産物を育て、畜産物を肥育し、水産物を漁獲あるいは養殖して下さる方々、さらにそれらを加工し、運んだり、調理して下さる方々のお蔭です。生物の貴重な命を頂き、生産、加工、流通に携わって居られる大勢の方々のお蔭で食事が出来るのです。本当に「お蔭様です。」。 まずこのことを幼少の頃から頭にだけでなく食事の支度を手伝わせることで身体にも理解させます。

次に私達の身体の健康を保つための仕組みを学びます。糖質、脂質、タンパク質の3大栄養およびビタミン、ミネラルなどの栄養素のことやそれらの働き、それらを消化吸収する仕組みを学びます。風味には甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の基本の5味があります。それらを単品で舌で感じ、対応する調味料の事を学びます。

食材がどのように生産され、それらが加工、調理される仕組みも現場で身体を動かして学びます。家庭での食事の準備のお手伝いは大切です。家庭の味、郷土の味を親子の絆を通じて伝える楽しさもあります。今は共稼ぎ世帯が増えて、調理に時間を掛けられなくなっています。時代に合わせて冷凍食品の巧みな利用、調理済み食品「中食」を利用する為の知識を学び、正しく活用する術を子ども達に教えましょう。

高学年になったら食品の表示、食品添加物の正しい知識、賞味期限や消費期限を学んで正しく理解して欲しいと思います。食中毒を避ける術も必須です。食べ物の腐敗と醗酵は科学的には同じような現象で、その生成物が人類に有害なのが「腐敗」、役に立つのは「醗酵」です。味噌・醤油・味醂・酒・納豆・鰹節・塩辛・くさや・漬物などの発酵食品が和食を豊かな内容にしています。最近評判になっている「一汁一菜」はその応用の典型で、戦中、敗戦直後の私達の食生活でした。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一