食品中の残留農薬よりも危ないこと

2017年07月21日

2015年8月盛岡市の認可外保育施設で預かって保育中だった当時1歳の幼児が食塩中毒で死亡しました。私達動物は海で発生し,長い時間を掛けて陸上に住むようになりました。従って海水の主成分である食塩は、私達が健康を保ち生きていく為には必須の成分(化学物質)です。私達の身体に必要で有効な化学物質でも,過剰に摂取すれば死に至るのです。食べ物も水も空気も化学物質です。一方有害な化学物質でも摂取量が死に至る「致死量」や人体に害を及ぶす量である「許容摂取量」より少なければ,摂取しても安全です。お薬や食品添加物や食品中の残留農産物がその良い事例です。

食品添加物は科学的検証データに基づき、法律が定めた添加量も含む使用方法が守られていれば「安全」だと申し上げました。食品添加物と並んで消費者の皆様が食品の危険因子の上位に上げている食品中の残留農薬についても同様な事が言います。有害な化学物質でもその摂取量が「許容摂取量」より少なければ人体に害を及ぼさなくなります。

厚労省のホームページによりますと、農薬や動物用医薬品等の安全性は、物質の分析結果や、動物を用いた毒性試験結果などの科学的データに基づき、リスク評価機関である食品安全委員会が、食品健康影響評価(リスク評価)を行ないます。各農薬等ごとに、健康への悪影響がないとされる「一日許容摂取量」(ADI:Acceptable daily intake)が設定されます。この結果を受けて、厚労省では,薬事・食品衛生協議会において審議・評価し、食品ごとの残留基準を設定するとあります。

設定された残留基準が守られているかどうかは次ぎのように検査されています。国内に流通する食品については、自治体が食品衛生監視員が在職している保健所を窓口として検査を担当しています。輸入食品については、輸入する時に検疫所に届けられる輸入申請書に基づき、輸入食品の中から抜き取り検査をしています。膨大な件数の食品輸入量に較べて、担当する検査機関、食品衛生監視員の数が少なく、時には残留基準を超えた食品が流通する事件が起こりニュースになっております。

日本のメーカーが海外で生産している加工食品は、日本のメーカーの責任で現地の食材の品質,生産工程が管理されています。正しく管理されておればこれらのメーカーが海外で生産した食品には、基準を超える残留農薬が含まれていない筈です。このように管理された輸入食品は輸入量のほんの一部で、生産国の土壌,水,空気などの環境が汚染され、メーカーや現地の輸出業者が規制を守っていない場合には心配です。また日本で認可されている農薬等とよその国々で認可されている農薬等が一部違っております。食品を輸入する際の障壁になります。輸入食品の原産国の表記を熟読しましょう。

食品添加物や残留農薬よりは、健康に害があるのは喫煙であり、細菌や黴の汚染による食中毒、暴飲暴食、正しい食育の欠如による「低栄養」(昔の栄養失調)です。飽食の時代に「低栄養」にならないようにバランスのとれた食事を規則正しく摂りたいものです。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一