糖質制限メニュー雑感

2017年09月21日

鮨のシャリ(ご飯)を小さくしたり、大根に置換えたり、その他糖質を抑えた商品が外食産業やコンビニに登場しています。LowCarbo(ロカボ)とかの糖質制限ダイエットが十年以上前からアメリカで推奨されましたが、その副作用が問題になり下火になっております。日本では輸入されて消費者の関心が高いままなので、「売らんかな」精神が旺盛な商売人達が、消費者が望んでいると推察してこのような商品を生みだしたのだと思います。

糖質(炭水化物)はそんなに身体に悪いのでしょうか?人類は長い間木の実や芋類、穀類からの炭水化物で命をつないできました。人類が摂取する炭水化物は、消化されるとブドウ糖などの糖類になり、血管に吸収されて、全身に運ばれ、生命活動を維持するエネルギー源となります。炭水化物は、脂質、タンパク質と共に生命維持に不可欠な3大栄養素の一つであり、エネルギー源であるだけではなく、神経伝達物質の一つであるセロトニンの生成にも関係しています。セロトニンの低下は、抑うつや不安の原因であり、実際糖質制限ダイエットの副作用として、脳の機能低下、不安、怒り、ストレス、情緒不安定、疲労感、身体機能の低下、活力の低下、想像力の低下等が見られています。

遺伝体質や食生活について、私達とアメリカ人(単一ではなく多様な人種の混在する人達)との違いを無視して、アメリカで流行っているからとアメリカの食生活を無条件で取入れるのは大変危険です。そのアメリカで最近数万人を越える被験者を対象に、20年を越えた追跡調査の結果が発表されました。肉食中心の人達は、バランスの取れた食生活の人達よりも、総死亡率、癌による死亡率、心血管疾患による死亡率が高くなっています。

体内の糖質が不足すると、脳の機能が低下するなど上で述べた諸々の障害が生れる他に、糖質制限ダイエット等に頼って必要以上に体重を落すと、細胞膜の強度が落ちたり、栄養不足になり抵抗力が落ちたりした結果ではないかと推察します。いい加減な情報に踊らされ無用な「糖質制限」をすることはありません。

血液中の糖質の量が血糖値で、食事をすると通常食後1?2時間に血糖値があがります。最近話題になっているのが、空腹時は正常値なのに、食後急激に血糖値が上がる「血糖値スパイク」の人が増えていることです。それを防ぐには、2016.11.16放映のNHK「あさいち」で紹介された下記のことを参考に、行き過ぎた糖質制限ダイエットは避けて、よりよい食生活を実践して下さい。

  1. 「野菜」から食べることで糖分の消化吸収までに時間が出来るので、急激な血糖値の上昇を抑えることが出来る。続いてはお肉やお魚などのメインとなるおかず。ご飯などの炭水化物は一番最後に食べるようにする。酢や豆乳を食前に摂ると血糖値が上がりにくくなる。
  2. 「ゆっくり食べる」ということがとても大切である。
  3. 3食きちんと食べること。朝食を抜くとそのあとの昼食で急激に血糖値が上がる。
  4. 食後にちょこちょこ動くこと。食後にゆっくりしてしまうと、高い血糖値がずっと続いてしまう可能性がある。食後に散歩などをすると、通常食後15分くらいには消化吸収のため血液が胃や腸に集まるが、そのタイミングで運動をすると全身に血液がまわり、胃腸の働きが鈍くなるため血糖値の上昇を抑えることが出来る。
  5. 腸内細菌にエサをあげる。バクテロイデスという腸内細菌がおり、この細菌がよく働くと、インスリンの働きがよくなる。エサとなるものは水溶性食物繊維を多く含むにんじん、ごぼう、にんにく、納豆、オクラ、たまねぎ、きのこ類、ひじき、わかめなどで、ご飯は玄米、大麦を入れる、雑穀米にする。味噌汁の出汁を昆布だしにすると水溶性食物繊維をより多く摂ることが出来る。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一