人生100年時代(その4)- 生活習慣病

2017年11月10日

厚生労働省によると生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。具体的には、高血圧糖尿病脂質異常症高尿酸血症など、以前、成人病と呼ばれていた主に中年期以降に発症するありふれた疾患群です。

1997年頃成人病の多くについて「加齢すれば必ず罹患しやすくなるのではなく、生活習慣の改善によって予防し得る」という認識を人々の間に作り出すことを目的として英語の”life style related disease”をはじめ、国内における成人病の呼称なども参考にして、「成人病」を「生活習慣病」へと置き換える動きが始まりました。現在では「生活習慣病」の語は広く普及し、このような疾患と肥満を複合する状態を、医学的にメタボリックシンドロームと総称しています。また、がん脳血管疾患心臓病の3大死因も生活習慣との関わりが高く、肥満はこれらの疾患になるリスクを上げることが判明しました。

「成人病」では、歳をとったから病気になるというイメージがありますが、「生活習慣病」は若い方々でも日々の生活習慣が良くないと発症します。健康にマイナスの悪い生活習慣(即ち,喫煙、偏った食生活、運動不足、休養・睡眠不足など)を改善すると、発症の予防につながります。定義からすると、生活習慣だけが原因のようですが、日常会話でも「体質」という言葉を使うように、私たちは病気のなりやすさには遺伝子の影響があることに気づいています。たとえば「うちは糖尿病の体質なので、太らないように気をつけなければいけない」などです。

スウェーデンにおける32年間の追跡調査によれば、生活習慣と生活習慣病による全死亡リスクは次のようになります。タバコを嗜む人はそうでない人の1.92倍、糖尿病患者は1.64倍、高血圧症患者は1.55倍、高コレステロール血症患者は1.10倍、メタボリック症候群の人達は1.36倍になります。生活習慣による疾病として主として、がん脳血管疾患心臓病などが指摘され、それらは日本人の3大死因ともなっています。

2011年の厚生労働省の国民健康・栄養調査で、10年前と比べて日本人の魚や野菜を食べる量が減り、肉食が1割近く増えていることがわかりました。厚労省は「野菜の摂取量が少ないと生活習慣病の発症リスクが高まる」としています。

沖縄は1990年代末までは世界に名だたる長寿地域でしたが、2000年代初頭には徐々に頭打ちとなり2010年代には65歳以下の若い世代の生活習慣病の増加により,親より先に亡くなる若い世代が増えて来ました。アメリカの占領の影響で沖縄の食生活が変り、若い世代の動物性脂肪の摂取量が多くなり肥満の人が増えております。これから日本全体でも沖縄で起きた現象の後追いをすると懸念されています。既に山梨県上野原市の棡原地区では若い世代の食生活の激変で、伝統食と歳を重ねても労働を続ける親よりも子が先に亡くなる「逆さ仏現象」が起きています。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一