人生100年時代(その11) — 改革の骨子

2018年01月31日

人生100年時代では、人生を青春、朱夏、白秋、玄冬にわけるとそれぞれ25年ずつになります。これは人間の脳の活動は7年の周期で変るとの、黒川伊保子氏の7年周期説(7年X4=28年)に対応します。青春時代は大いに学び、朱夏、白秋時代はそれを活かして仕事だけではなく多角的に活動し、玄冬時代には穏やかに生死と対峙して終わる。

【働き方】ICTが進歩しAIが人間の仕事を奪う時代では、当然働き方は変ります。良い学校を出て、良い職場に定年まで勤め上げるのは極めて稀なケースとなります。既存の組織の盛衰のテンポが早く、安心だと思って就職した職場が、いつ突然なくなるかわかりません。AERA(18.1.22号)の記事の「銀行あと7年 フィンテック企業に顧客を奪われる」や週刊現代(18.1.27号)の特集記事「これでいいのか Amazon依存社会」の記事のようにあらゆる業種で,大きな変化が起こります。一生一ケ所で働き続ける「一所懸命」はもう無くなるのです。NPOやNGOも働く場と成り得ます。

ICTを活用したテレワークは場所と時間を問わず、どこでもいつでも働くことを可能にします。都会のビルに広い事務所を構えて従業員を集める必要はなくなります。人は働きたい場所で働きたい時間に働きます。AIは人の労働時間を短縮し、人を長時間労働から解放します。期間限定で働く契約社員やパートタイムで働くのが当たり前となります。他人に雇われるのではなく起業する人達も多くなります。農業や畜産業,水産業などの一次産業も,一次産品を農協や漁協に納めて終わりではなく、一次産品やそれを加工した二次製品をネット等も使って直接消費者に販売することで、儲かる一次産業に成長します。

【教育】大学ではオンライン講座で数十万人の教師が失業する可能性もあります。まず幼児教育がより重要になります。適切な運動と「食育」で基礎体力を作るのと、ICT時代には「読み,書き,算盤」がより大切になります。共働きが当たり前になるので、保育を充実します。小・中学校では放課後の活動,即ち部活や学童保育が必須と成ります。学校と地域住民や高齢者が協業するCommunity schoolを作ります。ICTや国際化に対応する教育も大事ですが、従来たタブー視されて来た金銭教育,性教育も不可欠と成ります。

大学は全世界から学生、教授が集ってくる水準にまで高め、伝統工芸や芸術活動に進む人達が年少のうちから学べる場を作り、高等教育は多様な人生に対応出来る多彩なコースを創ります。AIに追われて転職を迫られる人達の再教育の場、現存のCulture schoolよりは、米国のCommunity college に近い、仕事を離れて学び自身を楽しめる場も作ります。

【基本収入(Basic Income)】の導入】働き方が変れば、当然税制や社会保障制度も抜本的に変革する必要があります。消費税を北欧並に、所得税は制度を簡素化し累進税率を高め格差の拡大を防ぎます。全国民に一律に生活に最低必要なお金を支給する「基本収入(Basic Income)」を導入します。この導入に対応して年金制度や生活保護制度,各種の保護制度などは抜本的に再検討し,廃止する場合もあり得ます。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一