再び食品ロスについて

2018年02月20日

2月3日午後(株)日本エコロジーセンター(相模原市)に恵方巻き関連の食材が持ち込まれた。普段のご飯物の2倍程の量。同社には食品工場から店頭に一度も並ばない食品が廃棄食品として直送されることが多い。と報じられました。スーパーやコンビニは前年実績などを参考に販売予想に基づいて発注しますが、工場は欠品して罰金をとられるのを避けるために、多めに製造する必要があります。恵方巻のケースに限らず、常日頃工場から処分場に直送される「可食食品」が発生しているのです。同社は廃棄「可食食品」を「原料」として、乳酸菌醗酵で粥状の豚の飼料を生産しています。私は先月「生涯現役かなざわ会」(註1)の有志の方々と同社の工場を見学したばかりでした。

わが国では十分に食べられる食品「可食食品」が年間約620万トンも廃棄されています。これは地球上で一年間に援助に廻っている食品の量の約2倍に匹敵します。金額では約5兆円、これはわが国の年間の防衛予算に相当します。

2016年度のカロリーべースの食料自給率は、農水省によると38%です。率の分母は国民1人1日当たりの供給カロリーで、国産品に輸入品を加え、廃棄食品の量も含まれています。本来の自給率は、国民1人が健康的に生活するのに必要な食料がどれだけ国産でまかなわれているかであるべきです。厚労省のデータなどを使った専門サイト「農業ビジネス」編集長浅川芳裕さんの試算によるとカロリーベースの「自給率」は49%、生産額ベースでは68%になるそうです。生産額ベースが高いのは、国産の比率が高い野菜、果物は比較的カロリーが低いからです。農水省の数字は、同省が予算を獲得したり、輸入米に高い関税を掛けるための強力な論拠、武器になってきました。

折角農民や漁民が苦労して生産した食料や多額のお金を払って輸入した食料を、食べずにさらにお金を掛けて焼却(註2)したり埋めたりしている亡国的な無駄を避けるために、(1)賞味期限の表示の再検討、(2)【3分の1ルール】(註3)の見直し、(3)宴会や外食店での食べ残しを減らす、(4)買い忘れた食品を冷蔵庫や戸棚に詰め込んでおいて結局廃棄したりしないように家庭での食品の在庫管理の徹底する、(5)賞味期限が切迫した食品を安売りする、(6)今や国民の8人に1人が貧困に悩んでいる貧困層の方々に配布する等、手を尽していますが廃棄食品の量は減っておりません。

食事を頂く時に「頂きます」と言います。これは鳥獣や魚の命、お米や穀物、野菜、果物の命を頂いて、私達の命をつないでいることへの感謝の気持ちを言い表しています。さらにこれらの食材を育て、収穫し、加工し、運搬し、売って下さる食に関わる全ての方々のご苦労にも思いを寄せて感謝し、食品の無駄を減らすように努めたいと思います。

(註1)生涯現役かなざわ会:25年前に発足。退職者を対象に「生き生きとした人生と心の触れ合いを地域でみつけよう」をモットーに「健康・家庭・経済・心・交流・好奇心・感動・滑稽の8k」運動をしております。
(註2)食品の償却費:全国平均では廃棄物となった食品を焼却すするのに、トン当たり4万円(横浜市は1.5万円)の税金を使っております。
(註3)【3分の1ルール】:食品の製造日から賞味期限までを3分割し、「納入期限は、製造日から3分の1の時点まで」「販売期限 は、賞味期限の3分の2の時点まで」を限度とする食品業界の暗黙のルール。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一