君たちは100年をどう生きるか

2018年03月20日

日本人の健康寿命が伸びたとのことです。健康寿命は日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間と定義されています。平均寿命よりは男性で約9年、女性で約12年短いです。平均寿命と健康寿命との差は健康でない期間を意味します。

カルデラ巨大噴火や東南海トラフ大地震、スーパー台風等の天変地変、戦争等がなければ、2007年生まれの人達の半数は100歳以上まで生きられると言われています。第二次大戦中や高度経済成長期のわが国の人口構成の中央値は20代でしたが、今は50代です。わが国は2011年から人口減少を続けながら、急激に高齢化社会になっています。国立社会保障・人口問題研究所の中位推計によると、わが国の人口は2030年に1億1522万人、さらに2060年には8、674万人にまで減ると予測されています。

ICT(SNS,AT,IoT など)の加速度的な進歩は、世の中の多くの仕組みを急激に変えています。今はその大きな地殻変動の真っ最中です。例えば就職先として未だに人気の高い銀行は、マイナス金利で収益が落ち、スマフォによる電子決済などの【Fintech】の影響、融資先の審査業務のAI化などで銀行業務の形が変り、多数の銀行員が失業しつつあります。銀行が駅前の一等地に大きな店舗を構える必要が無くなるように、ネットテレビは既存の放送局のような巨大な設備を必要としません。リモートワークの発達で、都会の大きなビルに正社員を集めて業務を行なうような働き方も減り、いつでも、どこででも仕事が出来、ワーキングシェアがより普及し、個人事業者や意欲ある起業家が増えるでしょう。

ロボットが生産現場の自動化で生産性の向上に貢献したように、AIはホワイトカラーの仕事の約半分を奪うと予想されています。高度な専門知識を要すると言われている弁護士,会計士,臨床医師などの業務もAIに取って代わられるでしょう。代わりにICTに関わる職種や人間の創造性を活かせる職種が新たに生まれます。生産性が低く魅力のない職種は淘汰され、より生産性が高く人間としてやり甲斐のある新しい仕事につく機会が増えます。

ICTの導入で教育のやりかたも大きく変ります。わが国では18歳以下の人口の急減により、大学を経営する660の学校法人のうち17%の112法人が経営難、21法人が2019年度中に経営破綻の見込みです。わが国の大学も含む教育への支出のGDPに占め比率はOECD内では常に最下位です。幼児教育、義務教育の内容、やり方も大きく変ります。

働き方が変り、教育の仕組み等が変る先の読めないこれからの時代に、今から100歳以上も生かされる若者達は、まさに{君たちはどう生きるか}を真剣に考えなければなりません。その為には答えの出ない課題や想定外の課題にひるまずに取り組む覚悟と能力、および自分たちと価値観も行動基準も異なる人達と対面した時に、彼らを敵視するのではなく、敬意と好奇心をもって接して、異質、異端、異見をもつ人達と困難でもコミュニケーションを取れる意欲と能力とを養う教育、訓練が望まれます。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一