お米の加工品、醤油と本味醂

2015年02月01日

お米の加工品、醤油と本味醂
 醤油は味噌とともに日本の基本的な調味料です。大豆、小麦、塩を原料とし、麹菌、乳酸菌、酵母を加えて熟成させた発酵食品です。複雑な醗酵過程で、アルコール類やバニリン、Hydroxy基、Methyl基、Ethyl基のついたフラノン(醸造醤油の中心的な香り)、大豆に由来するアミノ酸による旨味、同じく大豆由来のメチオノール(醤油、熟成した日本酒の香り)が生成されます。定かでは有りませんが、フランスの美食王ルイ14世のお料理にも隠し味として日本の醤油が使われたとか。

 これらの醤油の旨味、香り成分が日本料理の煮物の味付けやタレの基にするなど広く活用されています。今は天婦羅のたれ、蕎麦つゆなど醤油メーカーなどから醤油を原料とした用途別の「たれ」がお店に並んでいます。昔々大手の醤油メーカーの工場長に、君の会社もこのような「たれ」を生産したらと勧めました。彼の返事は「わが社の醤油を使って、それぞれのお料理に相応しい「たれ」をつくるのが、主婦や料理人の腕の見せ所だ」とでした。今はその醤油メーカーも、いろんな用途向きの種類の「たれ」を売っています。

 日本の醤油メーカーがウイスコンシン州に工場を建てる前には、米国のレストランで「Soy souce Please」といっても分解臭の強い中国産のアミノ酸醤油しかなく、折角の美味しいお肉料理が台無しになってしまいました。私は米国出張の度に醤油を醤油差しに入れて日本から持参していました。今やその会社の商品名が醤油を意味する程世界中の人たちに珍重されています。

 日本各地にもいろいろな種類の醤油があり、長崎のお寿司屋さんで出された醤油に吃驚し、銚子産の醤油に換えて貰ったことがありました。アジアモンスーン地域には、大豆だけではなく、動植物のタンパク質を原料とした「肉醤」、「魚醤」、「草醤」があり広く使われています。タイのナンプラー、ベトナムのニュクマムなどが有名です。日本でも秋田のしょっつる、能登のいしる、伊豆諸島のくさや液などがあります。

 日本料理のもう一つの基本調味料に味醂があります。「本味醂」は蒸したもち米に米麹を混ぜ、焼酎あるいは醸造用アルコールを加え、2ケ月間ほど室温近辺で熟成したものを、圧搾、濾過してつくります。麹菌のアミラーゼででんぷんが糖化され、熟成時には約14%のアルコール濃度になるので、アルコール醗酵が抑えられて、日本酒より甘くなります。また麹菌のプロテア−ゼによりアミノ酸やコハク酸が生成され、独特のコクが生まれます。みりん風調味料や醗酵調味料などの類似調味料がありますが、なんといっても本味醂です。

 醤油と本味醂とだし汁(水で代替えも可)の組合せで、多彩なお料理に調味料として利用できます。この組合せには無限のレシピがあります。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一