さらば東京會館本館

2015年03月10日

東京會館本館

 1月31日の夜をもって東京會舘本館の営業が休止されました。隣の商工会議所のビルと富士ビルとを合わせて高層ビルに再開発されるのだそうです。完成は3年後だとか。傘寿を迎えた私はそれまで生きているかどうか判りません。40代にここで月に2回会合を開いているライオンズクラブに入会させて頂き、27年間お世話になりました。入会当時私は会員の中では一番の若輩で、戦後の動乱の中で成功を勝ち取った年上の中小企業のオーナーさん達に可愛がって頂きました。銀座や赤坂のクラブにお供したとき等若造相手に気を許されるのか、ちらりと若い頃の苦労話や本音を漏らされます。そんな時お顔は笑っておられますが、眼光に凄みを感じるのが印象的でした。

 アメリカの食品会社の社員に転職し極東駐在社員は私一人でしたので、仕事を離れて広い分野の方々との交流を求めて入会させて頂きました。大手企業ですと同期入社や、大学の先輩後輩、あるいは趣味を同じくする者の同好会等、非公式な組織があり、仕事以外のお付き合いが出来ます。ライオンズクラブは社会奉仕を目的とした紳士の集まりであり、それに月に2回東京會舘の美味しい料理が食べられ、名門ゴルフクラブのメンバーの方が多いので、ゴルフ同好会に入れば名門コースでプレーが出来るよと誘われたのが魅力でした。当時はゴルフ会員権も持たず、従って公式なハンディも有りませんので、ゴルフ同好会ではデビューする時の第一打でハンディを貰うこととなり、桜咲く大相模カントリークラブでの初ショットでハンディを頂きました。これが何と素晴らしいショットで、低いハンディを頂いてお蔭でしばらくはブービーを争う破目となりました。

 ライオンズクラブの発祥の地であるアメリカでは例会は会員のお家で持ち回りで簡素に開催されることが多いのですが、日本ではホテルで開催される例が多いようです。多分欧米から見ると兎小屋のような狭い家に住んでおり、大勢の会員を自宅に招くことが出来ないからだと思います。ライオンズクラブのバッチを付けていて、ケネディ空港の税関吏やニューヨークのタクシードライバーに「僕もライオンズクラブのメンバーだ」と親しく声をかけられたことがあります。

 東京會舘のお料理は、西洋料理は勿論、中華料理、和食も大変美味しいです。時々別のホテルで例会を開いている他のライオンズクラブにビジターとして出席して、ランチあるいはデナーを一緒に楽しましたが、予算の違いもあるでしょうが、東京会館本館のお料理がNo.1だと私は思います。大学の教養学部のクラス会「エムブリオの会」は毎年7月の最終土曜日の正午に本館の中華料理店「東苑」でここ数年続けて開催されており、専門課程のクラス会「山紫会」は4月の第一土曜日の正午に、バー・ロッシーニィを借り切って6年続けて開催してきました。参加者には大好評で毎年開催日と場所が決まっているのは便利だと継続してきました。今年は4月に開催が出来ないので、専門課程のクラス会は1月24日に繰り上げて開催しました。

 1月24日のお昼の「山紫会」で本館を訪れましたら、ロビーに椅子が沢山置いてあり若い人たちが、カフェテラスの席の空くのを大勢待っていました。カフェテラスの“モンブラン”は逸品でした。バー・ロッシーニーでは,會館風ジンフィズも楽しました。しばらくは都内に数カ所あるレストランで東京會舘の美味しいお料理を楽しむことになります。

食と健康のコンサルタント 渡邉 憲一